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導入事例 | 製品情報 | <strong>tam</strong> - 東京自働機械:自動包装機械・生産機械

カートナーとケーサーを新規導入
包装工程の省人化を実現

国民的なロングセラー商品として愛され続けている「チロルチョコ」を製造する松尾製菓株式会社。包装工程に、東京自働機械製作所(以下、tam)のカートナーおよび段ボールケーサーを導入。すでに稼働していたtamの縦型ピロー包装機と連動させて包装工程を自動化し、作業に要する人員を半減させるという画期的な省人化を実現しています。

累計500種以上の「チロルチョコ」を製造

「チロルチョコ」を製造する松尾製菓株式会社は、120余年の歴史を誇る老舗企業です。同社が福岡県田川市で創業したのは1903年のこと。その歩みについて、代表取締役社長の松尾裕二様は次のように語ります。

「当社は、炭鉱で働く人たちのために砂糖菓子を作り始めたことがルーツです。1962年、子どもたちに安くて美味しいチョコレートを届けたいという2代目社長の想いからチロルチョコが誕生しました。“チロル”のブランド名は、オーストリア・チロル地方の爽やかな風景に感銘を受けたという2代目社長の発案です。全国での展開を強化するために、2004年、企画・販売部門を独立させてチロルチョコ株式会社を設立しました。」
(代表取締役社長 松尾裕二様)

チロルチョコ株式会社 松尾製菓株式会社
代表取締役社長 松尾裕二様

包装工程の自動化が大きな課題

老若男女から愛されるチロルチョコの大きな特長が個性的でバラエティに富んだラインアップ。チロルチョコは年間50~60の新商品が開発され、それらはすべてチロルチョコ誕生のときから松尾製菓株式会社で製造されています。

「当社の工場では、チロルチョコの成型から包装までを一貫して行っています。その数は年間約6億粒。チョコレート生地の精練から充填、成型、包装から箱詰めまですべての工程を自社で行い、約250名の社員が働いています。
しかし、少量多品種生産であるがゆえに、人手に頼る作業が多く、作業員が慣れるまで効率が悪いという問題がありました。近年では社員採用も難しくなるばかり。そのため、製造工程の省人化・自動化が当社にとって早急に解決しなければならない課題だったのです。」(製造部製造課 課長 公門宏喜様)

「チロルチョコの製造では、成型工程の段階で個包装を行います。この個包装された製品を包装工程で袋詰めしてカートンに入れ、さらに段ボール箱に詰めます。製品が多様なばかりでなく、シーズンによってはボックスやカップといった特殊なパッケージにも対応しなければならず、人手ばかりでなく経験を要する作業だったのです。」(製造部製造課 パッキング職長 久富祐樹様)

このように製造の中でも多くの作業員を必要としていたのが包装工程でした。
同社では、1983年からtamの縦型ピロー包装機を順次導入し、袋詰め作業の自動化を進めました。しかし、その後工程は依然として手作業に頼る状況でした。

製造部製造課 課長 公門宏喜様

自動化に向けて一番に相談したのがtam

そこで同社では、2017年2月、袋詰めされた製品のカートンおよび段ボール詰め工程を全自動化する検討を始めました。

「自動化を進めるにあたって、一番に相談したのがtamでした。その最大の理由は信頼性と対応力。すでにtamの縦型ピロー包装機を導入しており、アフターサポートがとても行き届いていたのです。サービス担当が頻繁に来社して“困ったことはありませんか?”と気配りしてくれ、不具合などがあった場合でも速やかに駆けつけてくれました。性能的にも満足していて、現場の作業員たちも使いやすいと評価していました。」(久富様)

「検討にあたっては、他社からも提案を受け比較しました。その中でもtamの提案は工程のほぼすべてが自動化されており、他社よりも優れていました。」(公門様)

こうして2017年3月、同社はtam機の新規導入を決定。包装工程の全自動化に着手しました。

製造部製造課 パッキング職長 久富祐樹様

設計から工事、生産まで迅速できめこまやかな対応

2017年3月にtamに発注後、設計を開始。6月から機械導入の工事をスタートし、7月には新しい包装ラインが稼働し始めました。

「新しい機械の導入にあたっては、私たちの要望をtamの営業担当に伝え、技術担当が設計を進め、その提案を受けて私たちがまた改善点を伝えるといったキャッチボールを何度も行いました。tamの対応はきめこまやかで機械の設置などもスムーズで満足できるものでした。
たとえば、製品を詰めた袋は形状が安定しません。カートナー機におけるハンドリングに微妙な調整が必要となり、tamのサービス担当が何度も改良を重ねました。また、製品の安全性や検査効率の向上といったこちらからの要求に対しても毎回丁寧に提案してくれました。」(久富様)

「たとえ不具合が発生した場合でも、tamとは長年の信頼関係があり、サービス担当がすぐに駆けつけてくれるので安心出来ました。」(公門様)

「テスト段階で改善点が見つかる度にtamのサービス担当が福岡営業所から駆けつけ、現場の声を聞きながら迅速に丁寧に対応してくれました。」(製造部製造課 パッキングリーダー 細川朋美様)

製造部製造課 パッキングリーダー 細川朋美様

自動化によりどの作業も軽減

tamの機械を導入して動き始めた新しい包装ラインは、驚くべき成果を生み出しています。

「従来までは1ラインあたり9名で作業を行っていました。それが自動化の結果、4名で対応できるようになったのです。」(久富様)

省人化だけをクローズアップしても従来の2分の1以下の人数で生産が可能になりました。また、人手による作業は機械への資材の供給などがメインとなったため、経験の浅い作業員でも対応できます。

「自動化した工程の作業員は、他の包装ラインの業務を担当できるようになりました。また、自動化によって賞味期限の確認などの作業も軽減され、空いた時間を若手社員の教育などに活用しています。」(細川様)

費用対効果でも大きな成果を達成

同社では、カートナーケーサーライン以外にも、袋詰めされたチロルチョコをボックスに詰めるカートナーや、縦型ピロージッパー機、フィルム包装機などtamの機械を数多く導入しています。

「今回の自動化は、費用対効果的にも大きな成果につながっていると評価しています。実際、製造コストを比較しても、他のラインに比べてtamの機械で自動化したラインはとても優秀です。これからもtamには積極的な提案を期待しています。」(松尾社長)

念願のベトナム工場が竣工。チロルチョコをアジアの人々に

同社は「“あなた”を笑顔にする」という企業理念を掲げ、現在、「社員満足」、「ファンとの交流」、「アジア進出」という3つの戦略を推進しています。

「企業理念にある“あなた”にはいろいろな人たちが含まれます。お客様を笑顔にするためには、まず当社の社員たちの“満足”を向上させる必要があり、そのためのさまざまな取り組みを進めています。また、“アジア進出”も私たちの夢。九州から全国へ、そして世界へ。いつの日か、アジアの国々の街角でチロルチョコと出会えるようになったら嬉しいです。」(松尾社長)

2023年3月、同社にとって念願である初の海外工場、ベトナム工場が竣工し製造をスタートしました。これからベトナム工場を成長させていき、今まで以上にアジアの国々で販売していくことを目標にしています。

チロルチョコ ベトナム工場